印象記 第65回日本眼科学会総会印象記
(2)第1日
大島 祐之
1
1東京医歯大眼科
pp.690-692
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207254
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今年の日眼総会は4月6,7,8の3日間,東京,文京公会堂において開催された。会場は2年前の建築になるが,地下鉄後楽園駅の間際に威容を示す公会堂内部の諸施設には目を見張らさせる豪華さがあり,2重ドア,通路に敷きつめられた赤い絨氈,定員2000名を収容する快適な椅子,独特な照明設計のどれを取上げても,従来の学会会場とは格段のものがあつた。そして交通至便な都心にあるとは思われぬほど外部の騒音から全く隔絶された静寂さが保たれ,豪華な上にも学会らしい落着いた雰囲気がかもし出されていた。今度の学会では特別講演,宿題報告,一般講演89題(1題病欠),外人招待講演2題のほか,新しい試みとして示説4題が加えられたが,その運営は終始スムースに行われ,馬詰教授,桑原教授はじめ東京医大眼科の方々の周到な準備,配慮の様がうかがわれた。欲をいえば器械展示場が狭く非常に混雑していたのが難であつたけれども,それが講演会場の間近かに設けられていたことは適切であつた。以下,学会第1日の模様と示説についての印象を綴るが,要点の聞ぎ洩らし,誤記については御海容あらんことをお願いする。
定刻午前8時の開会時間には例年並の参会者が揃つていたのではあるが,何分会場が広いため閑散とした感じを受けた。馬詰会長の開会の辞,植村理事長の会務報告に引きつづき一般講演が開始された。
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