私の経験 国際眼科学会への旅・2
5.ベルリン大学眼科の現状
桐沢 長徳
1
1東北大学眼科
pp.1707-1708
発行日 1958年12月15日
Published Date 1958/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206526
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今更ドイツ見学記でもないでしようが,ドイツ,殊にベルリンは言うまでもなく,現在のわが国の眼科の長老の多くの方が勉強された所で,いわば日本眼科学のハイマートとでもいうべき所ですから,ベルリン大学の現状は特に古い先生方への御報告の意味で書いてみましよう。
8月29日,国友,大橋,弓削の三教授と共にOscarRothacker書店のHermann-Schäfer氏の案内で,Universititäts-Augenklinikを訪れました。ベルリン大学は昔から世界に名高く,またフンボルト大学とよばれて幾多の輝しい業績をあげたものですが,戦後遺憾乍ら東独地域となり,そのため,現在の西独学生は各所に分散された教室を廻り歩かなければならぬ為に非常な苦心を払つているようです。つまり,西独としては,別に統一された大学を作りたいのでしようが,さすがのドイツでも完成した大学は一朝一夕に出来るものではなく,2年前に南西地域のDahlemにfreie Universitätを建て,目下鋭意整備に懸命なようですが,医学部さえも各所に分散し,たとえば甲病院の耳鼻科を大学の耳鼻科とし用いても,眼科は乙病院のものを使う,というような現状です。現在Universitäs-Augenklinikの一つとなつているのはCharlottenburgの地区病院(SpandanerDamm 130)で,主任はHugo Gasteiger教授です。
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