集談会物語り
第56回九州医師会医学会第6分科眼科学会について
南 熊太
1
1久留米大学眼科
pp.825-829
発行日 1958年5月15日
Published Date 1958/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206366
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九州医師会医学会は其の第1回集会は,明治25年藤田嗣章氏を会長として,熊本市に於いて行われ,其の後,九州各県に於いて行われているが,昭和31年10月20日,21日の両日,其の第56回九州医師会医学会が熊本市に於いて行われたので,総会竝に一般の状況に就いて述べ,次で第6分科に相当する眼科学会に就いて紹介せんとす。
昭和31年7月,8月頃からは『秋の九州医学会には』とか『秋の熊本での九州医学会』とか,会う人毎にとか医師と会う場合には,九州医学会の事が話題になる位であつたから,さていよいよ昭和31年10月20日になつてみるともうじつとしていられない様である。久留米駅に行つてみると,駅には,医師の姿があちこち見られる。汽車に乗ると,どの客車も満員の状況なのに,その多くが医師らしい顔であり,見覚へのある顔も多い。満員列車に立つて行くよりも,食堂車に乗つて行く方が利口だと食堂車に行つてみるとさすがに利口な方々で食堂車も既に満員である。長崎大学眼科の広瀬金之助教授に御都合をつけて頂いて,広瀬教授の隣に席を得て,ビールを飲みながら,食事をしながら,広瀬教授の御話を聞きながら,少しでも長い時間,食堂車の中に頑張つて行こうと言うのである。大牟田駅を過ぎ,有明海が見えよく晴れた秋空に一点の雲無しと言う状態にて,雲仙,島原の山がよく見える。雲仙の山頂は雲につつまれていることが多いので,此の日の様に,綺麗に見えることは珍しい。
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