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〔第1報〕細菌および真菌による点眼剤の汚染実験
緒言
点眼液は本来,無菌的であるべきであるが,たとえ完全に調剤されたものでも使用中に空気中の浮遊菌や患眼との接触によりしばしば汚染され,そのために重篤な眼障害を招くことがある。したがつて点眼液の汚染防止,および滅菌は眼科の臨床にとつて重要な問題である。しかも点眼液には加熱によりその効力が落ちるものも多く,そのために防腐剤の添加も行なわれるが,その防腐剤にも個々の点眼薬と配合禁忌のものもあり,点眼薬の防腐は複雑な要素を含んでいる。
従来,点眼薬の殺菌に関しては多数の研究が行なわれているが,いずれも細菌に関してのみであり,真菌による汚染などに関する研究はきわめて少ない。しかも点眼薬の種類は戦後全く一変したといつてもよい実態であるにもかかわらず,これらの新しい点眼薬の汚染に関して系統的な研究はきわめて少ない。今回,著者は数種の点眼薬について,その汚染の状態ならびに細菌,真菌などによる汚染の可能性について実験を試みたのでその成績を次に報告する。
PART I : Twelve ophthalmic solutions conta-minated with 3 kinds of bacteria and 5 kinds of fungi were tested on their self-sterilizing. Many kinds of chemical preservations excluding chlo-robutanol added to ophthalmic solution, showed antibacterial activity. Antifungical activity was observed in thimerosal and phenylmercuric nitrate.
PART II : Penetrability into the ocular tissues observed by fluoromicroscope after eye drop in-stillatation in rabbits. Fluorescein sodium passed through cornea, into the aqueous humor and iris, but not chorioidea or retina.
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