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I.はじめに
瞳孔反応,ことに対光反応は眼科臨床において重要な検査項目の一つであり,その健否は診断上大きな手がかりとなることはいうまでもない。したがつて従来多くの検査方法が考案されている。すなわち,映画撮影法,赤外線をもつて機械的に瞳孔面を走査する法,赤外線ビジコンカメラを用いる法,虹彩面よりの反射光を光電池をもつて測定する法などがある。これらの方法にはそれぞれ一長一短あり,いまだ一般に十分普及されるに至つていない。
著者は今回上述の第四の方法,すなわち光電素子をもつて虹彩面よりの反射光量を測定する方法により,人眼対光反応を記録した。これは1941年Matthes1)により考案された方法で,その後Cüppers2),Alexandridis3),須田4),真柄5)らにより同様な方法による瞳孔運動の研究が報告されたが,臨床応用は比較的少なかつた。わずかに臨床応用としてはAlexandridis u.Dodt6),Pirlichu.Metzig7),Dodt u.Alexandridis8)らの報告があるのみである。本方法は瞳孔運動量の絶対値が得られないという欠点はあるにしても,記録されたpupillogramはきわめて正確に瞳孔反応を表現しており,また,簡易,安価であるという長所をも有しており,今後臨床応用の面できわめて有用な検査法であると考える。よつて今回これにより得た正常眼対光反応および臨床応用の例について報告する。
Accurate recording of the pupillary area could be conducted by illuminating the eye with in-frared ray and by measuring the luminosity of the pupil through photocell units. While this method gives only relative and not absolute values of the pupillary area, exact information has been obtained as regards the latency time between the photic impulse and pupillary rea-ction, the relationship between the duration of photic stimulus and the induced pupillary rea-ction, or pharmacological actions of some mio-tics or mydriatics upon the pupil.
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