Japanese
English
連載 眼科図譜・132
Bowen病およびその浸潤化したと思われる各1例
BOWEN'S DISEASE AND ITS MALIGNANT MANIFESTATION, PEPORT OF TWO CASES
三井 幸彦
1
,
井上 慎三
1
,
布村 元
1
Yukihiko MITSUI
1
,
Shinzo INOUE
1
,
Hajime NUNOMURA
1
1徳島大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Tokushima University, School of Medicine
pp.1267-1268
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203943
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〔解説〕
上皮内上皮腫(Bowen病)は眼科領域では1943年McGavicによつて始めて報告された。欧米では相当数の報告があるが,本邦では報告が少ない。Bowen病は主として眼球結膜と角膜に発生し,眼瞼結膜に原発することは非常に稀てある。Bowen病は一種の前癌状態である。その悪性化の頻度は約10%位と言われている。
症例1〔第1図):86歳男。左眼外側輪部2時の部を中心として,角膜と眼球結膜を被う乳白色膠様の腫瘍を認める。腫瘍の表面は凹凸不平で一部は花野菜状を呈する。組織的には腫瘍の増殖は上皮内に限局し,上皮中層には異常な早期角化が見られる。その所見は症例2の第3図と同一であつた。臨床的,組織的に定型的なBowen病と考えられる。腫瘍を摘出したが,その後再発はしない。
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