銀海余滴
貧乏ひまなし
初田 博司
1
1初田眼科医院
pp.750
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203672
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医局の若い人達も10人のうち9人までが将来開業するということになると,その人達には今から是非心掛けておいてもらいたいことがある。何しろ自分の診療所の蓋をあけたときから直ちに全てを自分ひとりで出来るように今から修業をつんでおく必要があるのだ。将来の世の中は,ますます人手不足になるものと思つて間違いないし,何人もの人を雇うということは経済的にも問題があつて仲々実現し難いことのようだ。
そこで最低線を考えると,だれかさんの様に,女房をプレがわりにして2人で仲よく(時々けんかも結構)やつてゆくのが普通のことになつてきそうに思う。たまたまオールセルフサービスのところを,縁あつて手伝つて下さる女性でもいるとすればよろしく高給をもつて迎えて仕事の上でのベターハーフとして勤めていただく方がいいわけだが,できれば女房にはあくまで仕事を手伝わせないのが原則だろう。名の示す通り彼女は奥様であり,奥に引つ込んでいるべきものであり,表門でなく裏門の方を守備してもらえばいいわけである。
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