Japanese
English
臨床実験
ERGに対するVerina (Nylidrin)の効果
Effect of Verina (Nylidrin) for ERG
真田 知彰
1
,
久保 敏雄
1
Tomoaki Sanada
1
,
Toshio Kubo
1
1東京医大眼科
1Department of Ophthalmology, Tokyo Medical College
pp.861-864
発行日 1964年7月15日
Published Date 1964/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202992
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Ⅰ.緒言
血管拡張剤がERG,特にb波の振巾を増加せしめる事は1951年Henkesに依つて発表されて以来,幾多の研究者に依つて実証されて来た。Verina即ちNylidrin hydrochloride (1—p—hydroxyphenyl)−2—(1'—methyl−3'—phenylprox—ylamino)−1—propanol hydrochloride),(Arli—din hydrochloride)は1950年Kulz & Sch—neiderに依つて合成され,著しい血管拡張作用を有し,末梢筋肉部分の血液循環量を増大する作用があるとして知られ,臨床的にも用いられて来た。併し,本剤が末梢血管の循環血量を増大するのみならず,脳血管にも同様作用があると示唆したのは,JacobsonとBasarで,1956年,正常人間のERGを検査し,b波の振巾が増大する事よりNylidrine hydrochlorideの再認識を提唱した。
此の度,我々は特に試製されたNylidrine hy—drochloride注射液(1ml.,5mg)を象兎に用いてERGを検査した結果,知見を得たので茲に報告する。
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