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特集 眼科検査法(3)
特集
ハプロスコープ検病査
Haploskopie test
福田 雅俊
1
Masatoshi Fukuda
1
1東大眼科
1Department of Ophthalmology, School of Medicine, University of Tokyo
pp.1310-1312
発行日 1963年12月15日
Published Date 1963/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202839
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Ⅰ.ハプロスコピー
我々人類は2つの眼を持つているから,両眼の網膜にはそれぞれ異つた印象(外界の像)を受け得るわけであるが,事実は健康人は少しも複視に悩まされることもなく,両眼視(立体視)も容易に行なわれている。これは両眼の印象を互いに微妙な眼球運動により相重ねて,一つの両眼印象にするような作用,すなわち融像機能が常に行なわれているからであることはよく御承知のことと思う。ところでこの融像や,輻湊,調節等の機能は生理的には全く不可分で無意識下に行なわれているため,その個々の機能を取り上げて検査実験するには,かえつて複雑特殊な機械装置が必要となる。
融像現象の研究,その機能力の程度(融像力)の検査測定のためにも,プリズムを用いた器械により両眼に左右別々の2個の視標像を与える試みが古来多くの研究者により行なわれて来たが,その両眼に分離された視野内容を両眼視的に合致させる現象をハプロスコピーと名づけるのである。
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