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流行性角結膜炎,或いは咽頭結膜熱の際のアデノウイルス封入体に関しては,昭和34年度日眼総会に於て,杉浦氏等1)及び大石氏等2)に依て詳細に報告されている。流行性角結膜炎(以下EKCと記す)大流行時には特徴ある臨床症状と共に,所謂clinical EKCとして診断は容易であるし,その大部分がアデノウイルス8型に依る感染である事も解つている。所が,大流行時以外の時,然も臨床所見が定型的に揃つていない時には,急性トラコーマとの鑑別が困難な事がある。この両者は治療法や,経過,合併症,疫学的特徴に於て大いに異つている。例えば急性トラコーマではテトラサイクリン等の抗生物質が有効であるのにEKCでは無効で,ウイルスに有効な局所剤を考えねばならないし,又,点状表層角膜炎の発現に対する予防的治療もしなければならない。このような時一々血清学的診断に頼るのは煩鎖で実行困難な場合が多い。
そこで私は,トラコーマに於けるプロバッエック氏小体のように,封入体,若しくは封入体性の変化を以て、EKCの診断に役立たせたいと思い,患者の結膜擦過標本に就て検索した結果,極めて特徴ある核の変化等で充分診断に資する事が出来るという結論に達した。
It was compared the findings between the conjunctival scraping preparation from patie-nts of epidemic keratoconjunctivitis and that of Hela cells into which adenoviruses from the patients was inoculated.
Al hough the patterns of the inclusion body are very similar, it was often found Cowdr-y's type A inclusions in various size in former preparations. On the contrary in Hela cells most of inclusions were basophilic.
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