談話室
学者印象記(1) Bonn大学Muller教授
山地 良一
1
1大阪医大
pp.827
発行日 1962年7月15日
Published Date 1962/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202549
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Bonn大学眼科は,Bonnの駅からトロリーバス(Obus)で15分,Venusburgと呼ぶ丘の上にある。4階建て,コの字型の実に堂々たる建物で,日本なら屈指の綜合病院の1つ位は十分ある。主任教授は国際眼科学会の理事でもあるMuller氏で,助教授格のOberarztが岐阜の日眼総会に来たWeigelin教授である。Muller教授は,でかくて握手をすると,グローブを握つているようだ。オーント(und)と大声を出す。左頬に横一文字の決斗の傷痕があり,若き日を偲ばせる。しかし仲々親切でユーモアもある。
私の作つた試視力表を名刺代りに差し上げたら,真先に双魚視標をみつけて,これは子供用だろうという。試視力表に色彩の段のあるのが珍らしいらしく,しばらく飽かずに眺めていたが,これは色神表か,私には何も見えないが,いつの間に色盲になつたのかと冗談をいう。
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