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私は先に,大阪北逓信病院眼科開設5カ年間の新来患者疾患別統計と題して,昭和29年から5年間の新患6,719名の統計を逓信医学誌に発表したが,その統計は一般に発表されている如く,部位別に分類している。この様な分類法は,一般的であり,各部位或は個々の疾患の多少を知るには役立つが,医学の一分野としての眼科の特徴,或は未知の分野を促えるには適当ではない。即ち従来の如き各論的な分類記述法ではなく,眼科学総論的な分類記述法が,最も眼科学を促えるのに有効なのであるが,本邦の成書或は発表に於ても,この様な方法はとられていない。本邦成書に於ては庄司氏の『眼科診療の実際』が,一番優れている様に思う。即ち,外傷,腫瘍,全身病による眼疾の項以外は,各部位の疾患について述べ,各部位に於て神経,筋肉の疾患,変形等と病類別に記述している。
然し他の科に於ては総論が講ぜられているのが普通であつて,例えば鳥潟外科総論を見ると,外科的損傷,感染性疾患,腫瘍,栄養代謝障碍,変形,器械的障碍等の項に分類している。内科学又病理学に於ても同様である。眼科学に於ては,眼神経学とか,眼アレルギーとか,色々な観点からの記述はあるが,眼疾全般にわたつて分類しているものは見られない。事実,分類しようとする時極めて困難な問題に直面する。
The author took statistics of the eye diseases by the aetiological classifications on the fresh cases of the out patients, 6,719 cases, 11,527 diseases, in Osaka Kita Communica-tions Hospital, 1954-1958.
The results as follows.
(1) Inflammation. 5,769 (49.8%)
1. Bacterium. 3,116 (26.9%) 2. Filtrable virus. 2,107 (18.2%) 3. Specific in-flamma-tions and its allergie. 208 (1.8%) 4. The others. 215 (1.9%)
(2) Developmental abnormalies of the function and the formation. 3,076 (26.5%) 1. Refraction. 2,815 (24.3%) 2. Position of the eye balls. 130 (1.1%) 3. The intraocular pressure. 21 (0.2%) 4. The others. 110 (1.0%)
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