流動パラフイン油性オーレオマイシン点眼藥に関する基礎的実験並びに之によるトラコーマの治療成績

Experimental studies on oily suspension of Aureomycin in the treatment of Trachoma

　抗生物質の油性点眼藥に関してはTrope^1）がオーレオマイシン（以下Au．）のヒマシ油懸濁液によるTr．の治療を試み有効である事を発表した。我国に於ては萩原教授等^2）3）はヒマシ油及落花生油に混じたAu．及びテラマイシンに関して実験的研究を行い，Aluminium monosterate及びTween 80を加える事により懸濁液中で抗生物質が沈澱する事を防いだ。田野^4）はサラダ油を用い，井上等^5）はAluminium monosterateを加えたAu．油性点眼藥を公表している。

　以上は主として植物油を用いているが，植物油には水分を混じ易く，又或ものは乾性油であつたり，酸敗したりする事によつて抗生物質の長期保存に心配な点が無いわけでもない。

Liquid paraffin was used as a dispersion medium of aureomycin. The fudamental laboratory experiment and clinical trial in the treatment of trachoma were carried out.