臨床実験
オーレオマイシン油性点眼剤によるトラコーマの治療成績
呉 耀南
1
1基隆病院眼科
pp.425-428
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202156
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オーレオマイシンはDuggar氏(1948)の発見以来治療界の寵児であり,我が眼科領域に於ても既に治療室の常備藥として一般に賞用されつゝあるが,従来の文献を見るに,点眼藥としては一般に水溶液或は軟膏の形として使用され,油性点眼剤としての応用は僅か2,3の者の報告があるに過ぎない。私は夙に従来のオーレオマイシン使用上の不便に着目し,曩に予備基礎実験として落花生油,流動パラフィン,ヒマシ油,椿油の4種基剤を以て各々0.5W/V%のオーレオマイシン溶剤を作り,黄色葡萄状球菌F.D.A.209—Pを対象としてカツプ法及び重層法により各種油剤の持久効力を検定したのであるが,其の中でも就中落花生油と流動パラフィンの2種油剤が室温,氷室温を通じて最も良好な結果を得たことを昭和28年の台灣医学会席上に於て之を発表したが,此度は上記の2種油剤をトラコーマの治療に応用実施し,些か見るべき効果があつたので茲に発表する。
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