臨床実験
先天家族性全外眼筋麻痺の一家系とその手術結果
大石 省三
1
,
益田 虔之
1
1山口医大
pp.892-895
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202250
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
先天眼筋麻痺(Ophthalmoplegia externa co-ngenita)が家族性に優性遺伝形式をとつて来ることは既にFranceschetti10)も従来の文献を綜括して述べている。これによると欧米には比較的多いものの様であるが,眼遺伝学に川上氏8)が記載されている如く我国では僅に鈴木氏の一家系1)が報告されているに過ぎず,一症例の報告として賀古氏2),河本氏3)4)(3例),山田氏5),大林氏6),土田氏7),等があり,眼球運動欠損の原因については神経核と眼筋のいずれかの先天異常又は相互の結合関係の欠陥が推定されている。
本家系は2代に7人の患者が多発し,特に8人の同胞中5人迄が本症であつて,その中の1人に斜視矯正手術を行つて,眼筋の高度の発育不全を認め,手術結果は無効に終つた。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.