特集 第8回日本臨床眼科学会
原著〔一般講演〕
第17回國際眼科学会記録
中村 康
1
1日本医科大学
pp.382-389
発行日 1955年2月15日
Published Date 1955/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202145
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私は先づ此眼科学会の運営から批判して見なければならない。日本眼科学会が2つ以上の会場で講演を行うと言うのであるが,国際眼科学会では2ヵ所以上,4ヵ所もの会場を用いて,同時に特別講演,シンポヂウム,一般講演,映画による手術供覧,テレビに依る手術供覧等が行はれたのである。其が私共聴講者に都合が良かつたであろうかと言う事を考えてみなければならない。聞きたいものは必ず重りあつて,どうしても一方を捨てると言うことになる。特別講演を聞いているとシンポヂウムは捨てなければならない。一般講演の順番になつている者は,他の室でシンボヂウムが始つていると,其を聞きたくても聞きに行くわけにゆかない。私は此学会に於て,各方面の研究の動きを知ろうとしたのですが,五里霧中と言うことになつてしまつた。其上に此講演中に色々の協議会,相談会,集会等があり,其に煩ひされて,まとまつて聞いたのは特別講演「緑内障」の坐長をしていた時だけだと言つてよいであろう。
私は日本眼科学会が一室で講演を行い,演題が尠くても撰ばれた優秀な研究を聞いて,各大学の教授,教室員諸君が日本眼科学の動きを知り,此処に該博な知識を得ると言うことが日本の眼科学のレベルを高める上に,大切な事ではないだろうかと考へる。
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