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綜説 緑内障に關するシンポジウム
Ⅲ.緑内障手術の遠隔成績
Late operative result in glaucoma
藤野 貞
1
1長大眼科
pp.27-29
発行日 1955年1月15日
Published Date 1955/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202061
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緑内障手術の遠隔成績に就てはすでに1890年代からその記載があるが,此等の報告に表われた成績はまちまちであり,従て成書にも殆どその記載がない。
一般的にいえば斯る場合箇々の統計数値を集めて整理すれば略々正確な成績を知る事が出来るのであるが,此の場合簡単にそうした方法が採れない。何となれば報告者によつて観察の対象が或は視力であり,或は眼圧のみであり或は疼痛であり,或は又単に良効,成功と記してそれが何を指すのか明かでないというが如き事情があり,又一概に成功と言つても縮瞳藥の補助を要するものもあり,視力良効と云つても術前より良くなつたと云うのみで使用に耐えないものもあり,更に夫々の観察期間に大きな隔りがあるなど正に千差万別で,之等のすべてを同日には論じ難い。従て斯る材料では其の箇々は貴重であつても其の数値を集計整理しては正確を期する事は不可能というべきである。従来文献を渉猟して其の遠隔成績を論じようと試みた者も決して二,三にとゞまらないが,いづれも結局は不可能であつた。
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