談話室
Nataf氏とGuillot氏の話
中村 康
pp.539
発行日 1954年4月15日
Published Date 1954/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201854
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1)ギヨー氏の話
最近仏国から珍らしく二人の眼科医が日本を訪れた。其内で此度仏国からスキーの指導に来たギヨー氏が眼科医であるとは誰しも考えていなかつた。私が其歓迎会に仏大使館に招待されて初めて知つた事である。3月9日スキー指導を終えて帰国の前日日仏医学会主催で東京都近郊の眼科の先生方に参集してもらい,一夕座談会を開いてもらいました。其折聞いた2,3の話を記録する。仏蘭西では眼科は一般医師から少しくみさげられる気味があると言う。
仏蘭西では眼科医は内科,生理,神経,外科医たることが求められている。眼科医が単独に一人の患者を診療することは困難で,多くの場合,他科の協力を必要とする。仏蘭西のバレ教授は此点を考えストラスブルグ市に眼科,耳鼻科,神経科の協同学会を作つた。三科共通の問題が常に取あげられている。初めには「血管痙攣」と言う問題で討論した。其後視交叉蜘網膜炎,側頭葉の任務,視路,眩覚等が取扱われた。其後ベルギー,スイスオランダ,伊太利と言うように此催が拡げられて行つた。Olotogy, Neurology, Ophthalmologyの頭字をとりO.N.O.学会と言う。仏蘭西には今5ヵ所にO.N.O.地方会がある。地方会は1ヵ月1回,或は2ヵ月に1回催される。各国を通しての総集会が1〜2年に1回行われ之は国際間の学会である。
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