特集 第7回臨床眼科学會
普通講演
(24)アレルギー性眼疾患の免疫學的研究(第1報)
入野田 公穗
1
,
阿蘇 不二彦
1
1弘前大學眼科
pp.215-218
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201761
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視器にアレルギー性反應を顯わす疾患は數多い。A.C.Woons1)によれば枯草熱,喘息に觀られる結膜炎(急性浮腫性反應型),アトロピン,ブチン,アルカロイド等に因る眼瞼結膜炎(濕疹性浮腫性型,葡萄状菌毒,上皮,吸入物,動物性塵埃に因る邊縁性眼瞼炎(慢性再發性刺戟性型),春季加答兒等の結膜疾患,フリクテン,邊縁性潰瘍等の角膜疾患,交感性眼炎,水晶體過敏症性内眼球炎,非肉芽性葡萄膜炎,肉芽腫性葡萄膜炎等の葡萄膜疾患が孰れもアレルギー性疾患であると謂われ,この外白髪洗藥劑に因る結膜炎なども之の代表的なものの一つである。是等の疾患に特有なる或は特有ならざるアレルゲンの分明せるものもあるが,未だ判明せざるものも尠くない。既に抗元の確實に鮮明せられたる疾患は其の診斷は比較的容易なるも,然らざるものは診斷は勿論治療の指針を見出すことも容易ではない。それ故過敏症性現象を基礎として生ぜる疾患なるや否やを先ず改めて検討して見る必要がある。私共は臨床的觀察並に病理組織學的検索のみによりて夫の確證を把み得ない眼疾患に就て被動移入による種々の抗元抗體反應を試み抗體存在の有無を検査せのる故,その成績に就て報告しようと思う。
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