特集 眼科臨床の進歩Ⅱ
緑内障
原發性緑内障の手術的療法
須田 徑宇
1
1熊本大學眼科
pp.897-909
発行日 1953年11月10日
Published Date 1953/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201645
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緑内障の手術的療法(註1)をこの數年間の内外の文献から集め,それに私の小經驗を織交ぜて書いてみようと思う。
抑々,在來から良く行はれている原發性緑内障の手術法はその思想からして四大系統に分けることが出來る。'虹彩切除術Iridectomia (A.v.Graefee 1856)鞏角膜管錐術Trepanatio Sclero-corneae (R.H.Elliot 1909),毛樣體解離術Cy-clodialysis (L.Heine 1905),虹彩嵌頓術Iriden-cleisis (S.Holth 1906)である(この他に鞏膜切除術Sclectomiaの系統がある)。獨逸系の眼科學に於てはこのうち虹彩切除術,鞏角膜管錐術の2種類が廣く施行せられていたようである。即ち急性鬱血性緑内障には虹彩切除を,そして慢性鬱血性緑内障並に單性緑内障には管錐術を施行していた。而して毛樣體解離術は他の2種類に比して効果が不確實又は少いと考えられて來た爲か,一般には特殊な場合のみに施行せられたのである,即ち牛眼(Elschnig,Elliot等),又は他の手術が失敗か,虹彩切除術が困難な場合(Elshnig,Fuchs,Gradle等)に行つている。
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