臨床實驗
眼色素粒子の生理的意義
水野 勝義
1
1市立岡崎病院
pp.259-262
発行日 1953年6月15日
Published Date 1953/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201518
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
眼色素には強力な吸着作用があり,1mgの眼色素は約85%のビタミンB1(以下VB1)を,10mgの其は約75%のVB2を吸着するが,エステル型VB2は殆んど吸着されない事は既に發表した1)。從つて脈絡膜に多量に存在するとされているVBやVB2は其のメラニン顆粒に吸着状態で貯藏されていると思われる。然し此等が貯藏されるのみで全く網膜へ供給されなければ無意義であるが,實際には網膜新陳代謝に重要な此等ビタミンは絶えず補給されていると見るべき幾多の研究がある。
私は脈絡膜及び色素上皮と網膜の物質交換の具體的手段として,イオン交換作用があると想像出來る實驗結果を得た。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.