外文抄録
眼窠
金田 招重
1
F.Bruce Fralick
1熊大眼科
pp.412-414
発行日 1951年6月15日
Published Date 1951/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200886
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Benedict(Am.J.Ophth.32, 1949)は多數の眼科腫瘍例をあつかつた經驗により,眼窠腫瘍を臨状症状のみによつてその種類まではつきり診斷するのはむずかしく色々な他の檢査特に試驗的に眼集を手術開放してみることが診斷を確かにする手段だと述べている。
Benedictは診斷の正確を期する便宜上,眼窠を3つの手術帯と3つの解剖的分區にわけて考えた。第1帯とは眼集中隔より眼球赤道部まで,第2帯は眼球赤道部より眼球後方10mmまでで,そこからは網膜中心血管が視神經中に入つてゆく。第3帶はそれより後方眼窠尖端までである。第1分區とは眼案骨壁より骨膜にいたるまでで骨膜下組織がふくまれている。この第1分區には續發性頭蓋腦膜腫が最もしばしば發生し,レ線的に眼窠骨壁の變化を認めることが出來る。第2分區とは骨膜と筋圓錐の間でありこゝには多數の血管性腫瘍及び新生増殖腫瘍がみられる。第3分區は筋圓錐のうちにつつまれた部である。この部に病變があると直前方にむけて眼球が突出する。視神經が壓迫されて視力障碍をきたしやすい。Craig and Gogela (Am.J.Ophth.32, 1949)によると原發性眼窠腦膜腫はこの第2及び第3分區にしばしば發生する。
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