普通講演
(34)トラコーマ病原體の電子顯微鏡的研究—特にトラコーマに見出された超微粒子(假稱Z小體)の形態學的研究(第1報)
伊藤 退助
1
1千葉大學醫學部眼科學教室
pp.129-133
発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200789
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緒言
トラコーマ(以下Tr.と略)が,1種のヴァイジス(以下V.と略)に依り惹起されるであろう事は夙に注目せられ,Tr.がV.性疾患に特有と思われる種々相を有する事も知られている。殊に近時所謂Psittacosis-lymphogranuloma groupなる1群のV.と形態學的に近縁なるV.に依る疾患ではないかと推定されるに到つた。電子顯微鏡(以下電顯と略)の發達に伴い,從來不可視とされた各種V.の形態學的究明も着々と成果を擧げつゝあるが,我々もTr.病原體がV.に非ずやとする見地より,Tr.罹患組織或はTr,罹患結膜嚢洗源液及び分泌物等より瀘過性超微粒子,即ち假稱Z小體(伊藤教授に依る)を分離し,電顯的に觀察し得たので,其の形態學的考察を試みた。
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