手術メモ・10
(1)角膜成形術
中村 康
1
1日本醫大
pp.129-130
発行日 1950年3月15日
Published Date 1950/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200553
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角膜成形術には,角膜組織を補ふのに,他の角膜組織を以てする方法と,結膜組織を以てする方法とがある.前者は.角膜の色々な病氣の後に.角膜葡袋腫になつたり,又円錐角膜になつたりした時に行ふ外,開眼手術の一つとして行ふ.後者は,角膜潰瘍殊に角膜痩孔に行う.街角膜移植術を以つて,不幸にして移植に脱出し,角膜穿孔が其儘開口してしまつた時,健康結膜法をとつて,其穿孔を蔽ふことがある.
後療法:一移植手術を行つた後は翌日はなるべく繃帶交換程度で止め開眼し手術の成果を精細に観察でない方が良い.只移植した切片が脱出したり剥離したりしていないかを見る程度に止める.抜糸は5-8日位の間に行う.其後は蒸氣罨法,赤外線照射等を施し自宅でも温罨法に2%硫酸亞鉛水点眼をさせる.洗眼時眼瞼反射の爲め眼球に加圧するととはなるべく避けるが良い.軽く上眼瞼を上挙し洗眼する.凡そ2週間たてば創縁は密着する.
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