臨床實驗
石油ランプの自在鈎による眼外傷
黄 秀根
1
1新潟医大眼科教室
pp.101-102
発行日 1950年3月15日
Published Date 1950/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200542
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石油ランプの自在鈎による外傷は,明治年代には頗る多くて河本先生(明治43)は「日本に於てランプの鈎にて眼の負傷多きは世界無比ならん」と言つている程である.然るに電燈の普及に伴いこの種の外傷は殆んどその跡を絶つに至り,大正年代に市原氏例(大正3),昭和年代に廣瀬氏例(昭和5)が見られるのみである.而も廣瀬氏例は満洲において中國人に見たものであり,今日吾々は殆んど見るを得なかつたものである.
然るに偶々終戰後において,一時電氣事情惡化した折再びランプが用いられるに至つた際に,珍らしくもこの鈎によつて受傷した症例を経驗したのでここに報告する.
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