症例
眼内骨形成の1例
原 博
1
1日本医大眼科
pp.420-423
発行日 1949年9月15日
Published Date 1949/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200454
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緒言
眼内骨形成に関する報告はさまで稀有なるものに非ず.古來より知られたるものにして外國に於てはウイルヒョウが19世紀の初期に於て動物殊に馬の硝子体中に屡々骨形成を見ることあり,同樣に人眼に形成さるゝことも亦少なからずと記述している.以來パゲンステッヘル,クナップ,ワットスン,ペス,スノウバル,アクセンフヱルド等多数の報告あり.本邦に於ては中村(康),安藤,佐藤,三輪,庄司,酒井,黒沢,高橋,今井氏等多数の報告がある.以上の報告は大部分何等かの動機にて眼球癆眼を剔出してこれが組織学的檢査に依りて骨形成の存在を発見せるものである.私は最近眼球に疼痛を伴へる萎縮眼に遭遇し,骨形成を疑ひレントゲン撮影に依り眼窩中央部に欠損を認め.臨床的に眼内骨形成の診断を得て患者の整形的希望もありこの萎縮眼を剔出して組織学的にも脈絡膜及び水晶体の骨形成を証明し得た1例を報告し参考に供し度い.
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