Ⅲ私の經驗
眼球摘出後及び眼球癆で結膜嚢が淺くなつた時の一處置法
淸水 新一
1
1岐阜女醫專
pp.299-230
発行日 1949年7月15日
Published Date 1949/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200408
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眼球癆や眼球萎縮で義眼を挿入しても何等障碍がない時は義眼は多少共動くし,突出の工合もよく殆んど理想的な事がある事は御存知の通りである。だが何かの原因で一方では眼球癆又は眼球萎縮を來し他方では結膜嚢が淺くなつて義眼挿入の困難な事も,又例え挿入しても直ぐ出てしまう事もあるし,義眼を裝用して居たが或年月の後に次第に結膜嚢が淺くなつて義眼を入りにくくなる事やすぐに出てしまう事もある。斯樣な場合口脣粘膜等移植して結膜を嚢形成を行つていた。幸に此で落付いて居る者もあるが一年も經たない内に再び結膜嚢が淺くなつて義眼が入らなくなり終にクサポデー氏法を行つた者もある。然しクサボデー氏法は人手も時間もかかり患者にも相當大きい損傷を與え,切角出來上つて義眼を入れても動きが惡い。まして本手術が不成功に終つた時のみじめさは言語に絶する。茲で私は人手も時間もかからす不成功の心配も少い且義眼が多少でも動く方法をいうので義眼臺を應用する方法を試みたので報告する次第である。
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