Ⅶ温故知新
引退後の感想
石原 忍
pp.181-183
発行日 1948年8月20日
Published Date 1948/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200271
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編輯のかたからこんなテーマをいたゞいたので,久し振りに筆をとつてはみたものゝ,しばらく書かなかつたので,どうも筆が思ふやうに進まない。
私は大學を退いてから自分で三遷居士と號してゐる。これは私が大學を卒業してから境遇が3たび變つたからで,初めの17年餘は陸軍軍醫として勤め,次の17年餘は大學教授として醫學の研究と指導とに專念し,定年退職後は實地醫者として患者の診療に當つてゐるのである。この間に遞信病院長や前橋醫專の校長を勤めたこともあるが,これは戰爭のための臨時の仕事で,言はゞ應召したやうなものである。
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