連載 英国助産婦学生日記・その30
パムの引退と,自宅出産と
日方 圭子
1
1英国・サリー大学助産課程学生(ダイレクトエントリーコース)
pp.615
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100561
- 販売していません
- 文献概要
●パムの引退
1年生の頃から私のメントー(個人指導をしてくれる助産婦)で助産歴20数年のパムが定年を待たずに退職することになった。パムが以前から興味を持っていた母子保健を,4月の新学期から近くの専門学校で教えることが急遽,決まったためだった。高校を卒業していない人たちが,単位を取って大学入学資格を得る自治体経営の施設で,学生は10代が主で,看護婦を目指す40代もいるらしい。
パムが近所を歩くと,彼女を知っている子連れのお母さんたちがよく声をかけてくる。地域に根ざした経験豊かな助産婦を失うのは惜しいが,本人は「これで夜中にお産が始まっても,起こされずにゆっくり眠れる」と笑っていた。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.