〔Ⅱ〕原著
眼科での「ズルフォンアミド」劑の使用法
淸水 新一
1
1岐阜女醫專眼科
pp.20-21
発行日 1948年2月1日
Published Date 1948/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200221
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「ペニシリン」の結晶を使つて居る今日「ズルフォンアミド」劑(以下「ズ」劑と書く)の使用は舊聞に屬する樣であるが,我々は諸種の事情から捨て難い所のあるのは御承知の通りである。從つて此の使用法に就てはもつと研究しなければならない所があると思ふのである。まして「ズ」劑の作用機轉が今尚明確を缺いて居るに於ておやである。
然しKuhn及Wood等の研究にあつて「ズ」劑は細菌の發育に絶對必要な要素である「パラアミノ」安息香酸と結合して細菌の發育が阻害される事や,本校山中教授の精細な研究によつて内服,皮下注射,静脈内注射,動脈内注射,局所浸潤注射等の後,全身や病竈に於ける分布状態,尿路への排泄状態が明確にされたので,「ズ」劑の使用法に就て一抹の光明を得たのである,即ち病竈で「ズ」劑の濃度を出來るだけ高くし併も此を出來るだけ長く保持させるのが理想的であり又最有效な事が明かになつたのである。
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