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連載 つけよう! 神経眼科力・37
神経眼科疾患の薬物治療
Medical treatment for neuro-ophthalmology diseases
中馬 秀樹
1
Hideki Chuman
1
1宮崎大学医学部感覚運動医学講座眼科学分野
pp.438-442
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104660
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神経眼科疾患には3種類ある。治療しないと悪化するもの,治療してもしなくてもあまり変わらないもの,治療しなくてもよくなるもの,である。治療しないと悪化するものの代表は動脈瘤による動眼神経麻痺であり,治療しなくてもよくなるものの代表は虚血性の末梢性眼球運動神経麻痺であろう。そのような疾患は実は限られており,多くの疾患は,その治療が本当に効果的なのか(例えば非動脈炎性虚血性視神経症に対するステロイド治療),薬物治療とそれ以外の治療のどちらが効果的なのか(例えば甲状腺眼症に対するステロイド治療と放射線治療)明らかにされておらず,投与量や投与方法について統一したものがなく,またその効果についても常に討論となる。
今回は,そのなかで,多施設ランダム化治療トライアルにてその効果が明らかにされた特発性視神経炎に対する薬物治療についてまず述べる。続いて,多施設ランダム化治療トライアルは行われていないが,多くの神経眼科医により効果が賛同されている動脈炎性虚血性視神経症に対するステロイド治療と顔面領域の痙攣性疾患に対するボトックス治療について述べる。
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