やさしい目で きびしい目で・158
みんなに助けられて
望月 典子
1
1山形大学
pp.195
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104601
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母は職業婦人であった。定年まで平日は「大変,大変」といいながら仕事に出かけ,日曜日はずっと寝ていた。平日帰りの遅い父は,日曜日になるとご飯を作り掃除をし,遊びに連れていってくれた。人は働けるときには働くものだというのも,男性が家事をするのも普通だと思っていた。大学のとき,彼氏に「将来は家に入って子供の面倒をみてほしいな」と言われたときにはショックだった。彼の母は専業主婦で,家に帰ったらお母さんが温かく迎えてくれたのがよい思い出のようだったが,医師を目指す女にそれを要求するのはありえないと思った。
幸い理解ある夫に恵まれ,仕事を続けている。最初の2年間は大学で研修し,その後2年間は市中病院で働き,また大学に戻ってきて7年目である。途中,娘が生まれて産休を取ったが,育休は取らずに復帰した。母は「一旦休んでしまうと休み癖がつくから」と研究会やら学会やらがあると娘を預かってくれる。実際に面倒をみるのは父であるが。
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