Japanese
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特集 災害,震災時の眼科医療
放射線障害
Radiation damage of the lens
前田 利根
1
Toshine Maeda
1
1前田眼科クリニック
pp.1614-1617
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104503
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はじめに
水晶体は放射線感受性が高い組織の1つである(表1)。本稿では,眼組織のなかでも特に放射線感受性が高い水晶体障害について概説する。
放射線障害というとわれわれは急性期障害をしばしば思い浮かべるが,水晶体は高線量であれば1~2年,低線量では何年も経過してから白内障が現れ,晩期障害が問題となる。チェルノブイリ原発事故の除染作業者を被曝から10年以上経過して8,607名調査した結果,対象の9割が眼科検査時に55歳以下であったにもかかわらず,25%に白内障が発見された1)。
昨年の福島第一原発事故を考えるとき,われわれ眼科医は放射線被曝に関係する水晶体研究についていくつか最新情報2)を知っておくべきである。
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