特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識!
2 眼表面・角膜疾患
■診断・治療
ドライアイの考え方,診断方法,治療選択
渡辺 仁
1
1関西ろうさい病院眼科
pp.109-113
発行日 2011年10月30日
Published Date 2011/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103918
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ここが変わった!
以前の常識
●ドライアイは涙液の異常(だけ)で生じる疾患である。
●診断において眼表面上皮の障害をみる場合,フルオレセイン染色で判定する際,角膜の上皮障害だけみて判断する。
●ドライアイの治療に関してはほとんどの場合,人工涙液とヒアルロン酸ナトリウム点眼で治療を開始する1)。
現在の常識
●ドライアイは涙液と眼表面上皮のinteractionに異常が生じて発症する疾患である。
●診断で眼表面上皮の障害をみる場合,フルオレセイン染色で判定する際にも角膜上皮だけでなく結膜上皮もみて,眼表面上皮全体で上皮障害を判定する。
●治療に関しては,すでに発売されたP2Y2受容体アゴニストや今後発売されるムチン分泌点眼薬により多様な治療が可能となり,ドライアイを発症させる原因となる涙液の成分補給というtear film-oriented therapyの考え方が導入されつつある。
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