座談会(Dry Eye Discussion)
ドライアイの点眼治療 ―ドライアイスペシャリストはこう考える―
島﨑 潤
1
,
渡辺 仁
2
,
坂田 実紀
3
,
石田 玲子
4
1東京歯科大学市川総合病院眼科教授
2関西ろうさい病院眼科部長
3新宿眼科クリニック 院長
4いしだ眼科 院長
pp.8-15
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.13.01_0008-0015
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島﨑:近年のドライアイ診療の流れを振り返ると,2010年12月にジクアス®が発売されてから7年あまりが経過し,2016年12月にはドライアイの定義と診断基準が改定されるなど,大きなターニングポイントがありました。わが国におけるドライアイの点眼治療を取り巻く環境は,大きく変わりつつあると言えます。本座談会では,ドライアイスペシャリストである編集同人に2017年に実施したアンケート結果を交えながら,今後のドライアイの点眼治療のあり方について討論を行いたいと思います。まず,2016年の改定に伴い,ドライアイは新たに「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり,眼不快感や視機能異常を生じ,眼表面の障害を伴うことがある」と定義されました。そして,自覚症状かつ涙液層の安定性低下(BUT5秒以下)で確定診断が可能となり,角結膜上皮障害は除外されて「確定例」と「疑い例」の区別もなくなっています。ドライアイ診療において,この新しい定義と診断基準は実臨床にどのようなインパクトをもたらしているでしょうか。まずは渡辺先生,お願いします。
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