今月の表紙
LASIK術後のepithelium engrowth
山本 哲平
1
,
根木 昭
2
1医療法人社団海仁 海谷眼科
2神戸大学
pp.1745
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103012
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症例は53歳,女性。前眼部,中間透光体,眼底に異常はなく,2003年8月に両眼のLASIK手術を施行した。術後の視力は右1.2(1.5),左1.2(1.5)であった。しかし,その後に近視の戻りがみられ,2007年6月に右眼のエンハンス手術を施行し再度屈折矯正を行った。その後,経過観察中に異物感があり,液状化したepithelium engrowth(上皮下混濁)が確認された。原因は定かではないが,LASIK術後に長期間経過してからエンハンス手術を行ったため,治癒が遅くフラップの空隙に上皮細胞が集まり,混濁したと考えられる。ステロイドの内服で多少の軽減がみられたが,混濁が瞳孔領にかかってきていたため,手術にて除去した。現在はステロイドの内服も中止し,多少の瘢痕化は残っているが混濁はなく良好である。
撮影はトプコン社製SL-8Zのフォトスリットランプを使用し,太めのスリット25倍で行った。間接照明法では混濁部位が強調されなかったため(a),直接照明を当てて撮影した(b)。全体像を把握するには,少し広角にしてスクレラルスキャッター法などが適していたと思われる。今回は,太めのスリットを拡大することで液状化している混濁がよくわかるように撮影した。
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