コラム
Goldmann視野計測は必要か
湖崎 淳
1
1湖崎眼科
pp.151
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102941
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初期の緑内障の発見や経過観察という目的ならば,静的視野計のほうに分がある。しかし,Goldmann視野計の歴史は古く,多くの疾患の特徴が研究されてきた。そのため,あらゆる網膜疾患と視神経疾患が対象となる。視神経炎,虚血性視神経症,網膜色素変性症,錐体ジストロフィ,視神経乳頭低形成などはGoldmann視野計ですぐに診断ができる。近視性網脈絡膜萎縮の範囲や進行も静的視野計では困難である。半盲,とくに緑内障との鑑別に悩む四半盲の場合はGoldmann視野計であると自信をもって診断できる。また,Goldmann視野計はパターンで障害範囲を捉えることができるため,低視力でも診断が可能となる。
緑内障においても,高齢者の場合,静的視野計の検査速度についていけず信頼性の低い結果となることがある。白内障を合併している場合も,静的視野では緑内障の特徴を捉えられないことがある。長期経過をみている場合,途中に白内障手術が入ると,様相が大きく変化することもある。強度近視でも,静的視野計では判定不能であってもGoldmann視野計では全体像が捉えられ,近視性変化の部分と緑内障性変化の部分を分けて評価することも可能となる。また,強度近視の場合,静的視野ではMD(mean deviation)の変動幅が大きく進行の判定が難しいこともある。
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