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特集 未熟児網膜症診療の最前線
未熟児網膜症と血管内皮増殖因子
Retinopathy of prematurity and vascular endothelial growth factor
加地 秀
1
Shu Kachi
1
1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座(眼科学)
pp.165-172
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102601
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はじめに
血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)は血管新生のメカニズムにおいて中心的な役割を担うタンパクである。未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)においては虚血網膜でVEGFの発現が増大,その結果として新生血管が発生し,硝子体出血,増殖膜,そして網膜剝離などを生じる。そのため,VEGFを標的とした治療法は,この疾患を治療するうえで非常に重要な手法の1つとなりうる。
本稿では,虚血によるVEGF発現と新生血管発生のメカニズムを述べるとともに,未熟児網膜症眼内におけるVEGFとそれを標的とした治療の可能性について述べる。
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