Japanese
English
特集 糖尿病の眼合併症
糖尿病角膜症
Diabetic keratopathy
近間 泰一郎
1
Tai-ichiro Chikama
1
1山口大学医学部眼病態学講座
pp.1810-1815
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102530
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はじめに
糖尿病の三大合併症は,網膜症,腎症,神経症である。眼合併症では網膜症が代表的で,白内障とともに視力障害に直結する。また,視機能への直接的な影響は少ないものの,糖尿病角膜症もしばしば経験する糖尿病眼合併症の1つである。
糖尿病を有する患者では,角膜は透明で一見正常にみえても,白内障手術,硝子体手術などの内眼手術やレーザー治療などの侵襲を契機として角膜上皮障害1,2)や角膜内皮障害3)が発症することが知られている。このような糖尿病に伴う種々の角膜障害が糖尿病角膜症4)であり,創傷治癒過程に異常があるために,一旦発症すると速やかに治癒せず治療に苦慮することがある。
本稿では,糖尿病角膜症の臨床的所見およびその病態と治療法について概説する。
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