書評
緑内障3分診療を科学する!―症例に学ぶマネジメントの実際
根木 昭
1
1神戸大学大学院器官治療医学講座眼科学
pp.35
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101761
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多治見スタディなどによる社会的啓発が進み,眼科外来における緑内障患者は増加している。日本緑内障学会は,緑内障管理の標準化を目指し,緑内障診療ガイドラインを発行している。ガイドラインではベースラインを見極め,目標眼圧を設定し,治療効果を確認しながら治療を進める手順を示してあるが,実臨床では初期治療で目標眼圧を達成できる症例は半数にも満たず,過半数の症例はガイドラインからはずれた管理を当初からはじめねばならない。限られた診療時間内で,個々に異なる症例に対していかに納得できる治療を提供するか,その手がかりを具体的に示してくれる情報源は少ない。
このような眼科医の欲求不満を解決すべく,エビデンスに裏付けられた標準化された方針を踏まえて,個々の症例に最も現実的で柔軟な対策を打ち出すにはどのような思考過程を踏んだらよいかを,実際の症例をもとに提示しようというのが編者の意図である。
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