特集 眼感染症診療ガイド
I.眼感染症のトピックス
屈折矯正手術後の感染症
堀 裕一
1
,
渡辺 仁
1
1大阪大学大学院医学系研究科感覚器外科学(眼科学)
pp.50-53
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101415
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
屈折矯正術後の感染症は,合併症のなかでは比較的稀に起こるものであるが,その症例報告はいまだ後を絶たない。さらに,屈折矯正術後の感染症はいったん発生すると,たとえ治癒しても角膜混濁や不正乱視が残存する可能性が高く,重大な合併症につながるために厳重な注意を要する。最近では,両眼同日手術も多く行われていることから,両眼に同時に感染症を起こす例も報告されている1~3)。屈折矯正手術は眼科の手術のなかでも短時間で終了し,患者さんへの負担が少ない手術のため,術後感染症に対する注意が希薄になりがちであるが,手術である以上,常に感染症が起こりうることを,術者やスタッフをはじめ,医療機関全体で意識しておかなければならない。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.