特集 眼科における最新医工学
II.視機能再生工学
人工視覚
(4)脈絡膜上-経網膜刺激方式人工視覚システム
鐘堂 健三
1
1ニデック研究開発本部人工視覚研究所
pp.124-129
発行日 2005年10月30日
Published Date 2005/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100201
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網膜がその機能を失った患者に対して,人工臓器によって視覚を再生させる研究が世界的に活発になっている。わが国においては,厚生労働省と経済産業省の連携のもと,工学サイドでは,NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)による国家プロジェクトが2001年度より5か年計画で実施されており,脈絡膜上-経網膜刺激方式(suprachoroidal-transretinal stimulation:以下,STS)として具現化しつつある。本方式は他方式に比べて,医学的には眼球に対する侵襲が極めて軽微であるという特徴を有するが,工学的には現在の技術レベルに適した方式であり,早期の実用化が期待できる。
本項では,このSTS方式の人工視覚に用いる工学技術の現状について紹介する。
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