今月の臨床 エコーガイド下で何ができるか
産科
3.卵膜下血腫吸引
原 量宏
1
1香川医科大学母子科学
pp.512-515
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905029
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妊娠初期に胎芽心拍動が認められ,出血が長期に持続する症例において,しばしば子宮内にエコーフリースペースを認めることがある.このエコーブリースペースは、大部分の症例で安静のみで縮小するが,なかには徐々に拡大傾向を示し,最終的には感染,破水などで流産に陥る場合がある.統計的にみると、妊娠初期に発生する卵膜下血腫のほとんどは安静のみで自然軽快し,妊娠末期まで妊娠が継続した場合には,胎盤発育への影響はあるものの、児体重への影響は少ないという結果が得られている1).ただし血腫が徐々に増大し子宮内の圧が高まるような症例においては予後が悪い場合が多く,このような症例に関しては,積極的にドレナージおよび子宮口開大を試みてもよいと思われる.本稿においては,超音波画像診断で得られた所見を中心に,脱落膜下血腫症例における血腫吸引法に関して解説する.
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