今月の臨床 不妊診療のピットフォール
検査・診断のピットフォール
4.内視鏡検査の実施
田中 信幸
1
,
岡村 均
1
1熊本大学医学部産科婦人科学教室
pp.1208-1212
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904749
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はじめに
腹腔鏡・子宮鏡をはじめとした内視鏡検査は,超音波検査とともに日常診療に欠くことのできない重要な検査法である.しかも,今日通常行われる内視鏡検査は,検査と同時に治療を兼ねている場合が多く,これらに習熟することは産婦人科医として必須となってきている.一方,内視鏡検査・治療に伴うトラブルや合併症の発生も種々みられ,こうしたトラブルやピットフォールを避ける工夫も必要である.
一般に不妊の検査・診断・治療の進め方としては,当然,頻度の高い不妊因子について,低侵襲性かつ低コストのものから開始すべきである.したがって腹腔鏡・子宮鏡による検査および治療は二次的診療内容と位置づけらるものの,適応のある症例では非常に有効な検査かつ治療法となり得るので,その症例選択,すなわち適応の決定が一つの大きなポイントとなる.その際,一般的な適応とは別に,術者自身の技量・熟練度に合わせた症例の選択を行うことが最も重要であろう.
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