今月の臨床 妊婦健診のピットフォール
初期健診のピットフォール
1.見逃しやすい異所性妊娠
椋棒 正昌
1
1淀川キリスト教病院産婦人科
pp.1068-1070
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904720
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はじめに
近年,クラミジア感染症などのSTD(性感染症)の蔓延やIVF-ETなどの配偶子操作の普及により,異所性妊娠の発生頻度は増加している1).異所性妊娠の診断法は,超音波断層法,特に腟式超音波検査の診断技術の向上により著しく進歩している.そのため未破裂の状態で診断され,腹腔鏡下手術が施行されることにより,重篤な状態に陥る症例が減少している.
しかし,異所性妊娠は見逃すと破裂し,出血性ショックを起こし重篤な状態となり,母体死亡につながる可能性をもっている.そのため,特に妊娠初期の健診では異所性妊娠を見逃さないように注意する必要がある.
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