今月の臨床 頸管無力症と頸管縫縮術
頸管無力症患者管理の実際
2.当センターでの頸管無力症患者管理と治療成績—埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
河村 隆一
1
,
竹田 省
1
,
松村 英祥
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.891-895
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904685
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はじめに
妊娠中期での自然流産の主たる原因は頸管無力症,前期破水,胎児・胎盤の異常,胎児死亡などであるが1),そのうち頸管無力症は妊婦管理により流早産予防が可能であるだけに周産期管理上その診断,治療は重要である2〜4).頸管無力症の発生頻度は0.05〜1%前後であり,20〜22週前後に発症することが多い5).前回の妊娠,分娩経過からその診断がついていたり,疑われる症例は予防的頸管縫縮術により治療可能であるが,初産例や前回正常産例でも発症することがあり,妊娠中期の3〜4週毎の定期検診ではその診断が遅れることも多い.したがってこのような場合,どのようにして早期に診断し,対処するか.また子宮口が開大し卵膜が見られるものや,胎胞が腟内に膨隆している症例ではどのように管理すべきかが問題と思われる.
本稿では,術前・術後の管理,手術時期など当センターでの頸管無力症管理方針およびその治療成績を述べるとともに,今後の問題点にも言及する.
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