今月の臨床 頸管無力症と頸管縫縮術
胎胞突出例での頸管縫縮術—私の工夫
3.Shirodkar手術遂行のための工夫—社会保険広島市民病院
大本 裕之
1,2
,
吉田 信隆
1,2
1社会保険広島市民病院産婦人科
2現倉敷成人病センター産婦人科
pp.880-885
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904683
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はじめに
未熟児医療の進歩は児の生育限界を著明に改善したが,いまだその臨床成績は十分とは言いがたい.産科医は新しい知見に基づき,妊娠継続を図りながらより健全に成熟した児を母親ないし新生児医療に送り渡すことが責務である.当科における検討では,腟内胎胞脱出は妊娠22週から26週までの早産原因の29.5%1)を占めており,その発症予防と不幸にして発生した場合の妊娠継続期間の延長は産科領域における重要な課題である.われわれは妊娠継続に対して,緊急頸管縫縮術による手術療法が保存的療法に比べて有用である2)と報告し,術式は治療効果のより高いShirodkar法を原則的に施行して3,4),予後の改善を図っている.本稿では,展退,菲薄化した頸管ではMcDonald法に比べて技術的に困難と考えられやすいShirodkar法の遂行のために,われわれが行っている手術法について述べる.
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