今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて
I 婦人科手術
3.腹腔鏡下手術
4.付属器の手術
原 鐵晃
1
,
大濱 紘三
2
1広島大学医学部附属病院周産母子センター
2広島大学医学部産科婦人科学教室
pp.412-417
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904594
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はじめに
付属器に対する腹腔鏡下手術は子宮に対する手術と比較して手技が容易なものが多く,重症の合併症を起こす頻度は4%程度で,子宮に対する手術の1/3から1/4程度である1,2)(表1).しかし,合併症の種類は子宮に対する手術と変わらず,また,合併症の重症度は術式の難易度とは無関係である.また,卵巣と卵管に対する手術であるため,挙児希望がある場合は妊孕性を損なわない千術を心掛けねばならず,腫瘍性病変の場合は,病歴や画像診断および腫瘍マーカにより悪性腫瘍との鑑別を術前に十分に行っておくことが大切である.
また,重篤な合併症の1/3は腹腔鏡下に病変部の手術を開始する前に起こり,しかも1/4は術中に気づかない1).合併症を減少させ重症化させないためには,手術の準備段階と術後管理にも細心の注意を払うことが大切である.
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