症例
MTX療法による大出血に経膣的子宮動脈下行枝結紮が有効であった頸管妊娠の1例
長坂 久司
1
,
長坂 正仁
1
1長坂クリニック
pp.304-307
発行日 2002年3月10日
Published Date 2002/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904576
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子宮頸管妊娠は稀な疾患で,近年,子宮温存を目的として保存的治療が試みられている.しかし,治療中に止血困難な大出血を招き致命的な事態となる可能性もあり,注意が必要である.今回,メトトレキセート(MTX)療法により尿中hCG値が低値となったあとの突然の大出血に対し,子宮動脈下行枝結紮がきわめて有効であり,子宮温存に成功した症例を経験したので報告する.
症例は28歳2回経妊,0回経産で,性器出血と尿妊娠反応陽性を主訴に当院を受診した.経過中に頸管内に胎嚢像を認めたため子宮頸管妊娠と診断し,MTXの全身投与を開始したが効果なく,局所投与に切り替えた.その後,順調に尿中hCG値は低下したが,突然大出血を起こしたため,経腔的子宮動脈下行枝結紮を施行し子宮温存に成功した.
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