今月の臨床 女性内科的アプローチ—循環器系を中心に
エストロゲンと心血管系
2.HRTの効用と副作用
赤松 達也
1
1昭和大学医学部産婦人科学教室
pp.57-59
発行日 2002年1月10日
Published Date 2002/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904523
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はじめに
加齢による卵巣重量の減少は40歳を境として起こり,これに伴って機能的にも卵巣性ステロイドであるエストロゲンは急激に低下する.このエストロゲン欠乏状態はさまざまな身体的変化をもたらす.女性の高齢化によってこの性ステロイド低下が単に閉経期という一時期の問題でなく老年期に発症する各種疾患にも深く関連していることも明らかとなってきた.すなわち,閉経期のみならず,その後の老年期のQOLを考えるうえで,エストロゲンの補充療法は重要な課題の一つとして注目されている.将来起こり得る心血管系病変,骨粗鬆症などの予防にも役立つと考えられている.
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